クリアなサウンドを実現する構成要素

ミックスポジションで正確なレスポンスを得るには、正確なスピーカーシステムだけでは十分ではありません。精度を左右する鍵は、境界面、定在波、反射の影響にどう対処するかにあります。JBLはLSRシリーズスタジオモニターの開発にあたり、環境が抱える一つひとつの問題を検証し、最適なソリューションを生み出しました。小規模なコントロールルームでも、LSRシリーズスタジオモニターシステムなら、ミキシングエンジニアの座る位置でスムーズかつ正確なレスポンスが得られます。


LSR4300アクセサリーキットに
付属のLSR4300 RMC
キャリブレーションマイク

LSR Linear Spatial Referenceの設計と測定

Linear Spatial Reference(LSR)の理念は、さまざまな音響空間でシステム全体の性能を綿密にコントロールするための一連の設計目標に基づいています。JBLは、軸上周波数特性のような単純な測定だけに注目するのではなく、スピーカーを中心とする360度の音場でシステムを測定し、ミックスポジションに届く軸外の反射音のレスポンスもスムーズかつ正確になるよう、システム全体を設計しています。

測定値が似ているスピーカーでも、実際の音が異なることは広く知られています。JBLは、単純な軸上周波数特性の測定にとどまらず、新しいシステムの究極の性能仕様として、お客様の部屋でどのように聞こえるかを定義しています。ミックスポジションでは、直接音と部屋の各面から反射した音が合わさって聞こえます。ミックスポジションに届く音をスムーズでニュートラルなものにするには、スピーカーが軸上で「フラット」に測定されるだけでは不十分であり、優れた軸外特性が不可欠です。他社が空間内の一点で測定した単一の軸上周波数特性を用いるのに対し、JBLは、リスニングルームに放射されるすべてのパワーを含む球面上で、あらゆる方向についてモニターシステムを測定します。このデータは、単一の軸上レスポンスカーブの1296倍の情報量に相当します。直接音場、反射音場、残響音場、つまりリスナーが聴く音場全体について72点の測定を行い、それらを相互に関連づけて、リスニングポジションでのレスポンスを最適化します。一部のメーカーが用いるスペクトルスムージングは、実際にはデータを覆い隠してしまいますが、JBLのアプローチでは、共振や指向特性の不良、軸外での音色変化の原因など、システムの欠陥があらわになります。下図は、JBLの理念の中核をなす、空間測定グラフの一例です。


LSR6300 RMCキット

RMC™ ルームモード補正

JBLが初めて開発したRMC™ルームモード補正システムは、LSR6300シリーズおよびLSR4300シリーズのモデルに搭載されています。RMCシステムには、低域の問題を分析して補正し、ミックスポジションで卓越した精度を実現するために必要なものがすべて含まれています。ルームモード(定在波)は、ミックス内の低域成分について誤った印象を与えることがあります。JBLは、ルームモードの悪影響を特定して克服するための完全なソリューションを、業界で初めて提供しました。

LSR 6328P、6312SP、およびすべてのLSR4300モデルには、JBL独自の優れたルームモード補正システムであるRMCTが搭載されています。LSR6300 RMCキャリブレーションキットには、ルームモードを特定し、LSR6300シリーズに内蔵のパラメトリックイコライザーを設定するために必要なものがすべて含まれています。JBLのエンジニアは、LSR4300シリーズのスピーカーに自動アナライザーと補正フィルターを搭載することで、RMCソリューションをさらに進化させました。どちらのシステムも、ミックスポジションでの低域性能を飛躍的に向上させます。


境界面
補正スイッチ

内蔵の境界面補正

マルチチャンネル制作の普及により、より多くのスピーカーの設置場所を確保する必要が生じる一方で、スペースにも制約があるため、スピーカーの配置に妥協を強いられる場合があります。JBLのパワードモデルには境界面補正スイッチが搭載されており、スピーカーを壁際、コーナー、作業台の上に置いたときに生じる低域レスポンスの増加を相殺できます。設置環境に合ったスイッチを設定するだけで、フラットなレスポンスに戻ります。

マルチチャンネル制作の普及により、より多くのスピーカーの設置場所を確保する必要が生じる一方で、スペースにも制約があるため、スピーカーの配置に妥協を強いられる場合があります。JBLのパワードLSR6300シリーズモデルには境界面補正スイッチが搭載されており、スピーカーを壁際、コーナー、作業台の上に置いたときに生じる低域レスポンスの増加を相殺できます。設置環境に合ったスイッチを設定するだけで、フラットなレスポンスに戻ります。LSR4300シリーズにも境界面補正機能が備わっています。LSR4300自動RMCシステムは、境界面やルームモードに起因する問題に対処するよう設計されています。LSR4312SPサブウーファーを追加すると、LSR4300 RMCシステムの補正能力が2倍になります。サブウーファーがルームモードによる低域の問題に対処し、LSR4328PおよびLSR4326Pモニターは、存在する境界面の影響への対処に専念できます。